出張カットってなんですか?

お母さんの事を介護しているんだけど・・
足が悪くて外に行けないんだけど・・

お医者さんに年齢のせいって言われたけど、
足が痛くて外出出来ないわ。
髪が伸びたから美容室に行きたいんだけど・・

ワシも病気でベッドから起き上がれなくて困っているんじゃ。
もう、髪の毛が伸び放題で困っているんじゃ。
どうしたらええのかのぉ・・?

そういう時は、出張カットの美容師さんに相談すると良いですよ。
出張カットって知っていますか??
と言う事を改めて聞くと・・
・訪問介護をしながらカットしてくれる。
・床屋さんが来てくれてカットしてくれる。
・ヘルパーさんと似たような人が来てくれる。
など沢山出てきますね。
あなたの予想通りですが、若干違いがあります。
ヘルパーさんや介護的な要素はありますが、その仕事の資格が無くても出来る仕事で、あくまでも美容師の仕事をするお仕事です。

訪問理美容
出張カットは、正式名称は「訪問理美容」(ほうもんりびよう)と言います。お客様のお家や介護施設に訪問して施術をするお仕事です。
最近はあなたもご存知の通り「超高齢化社会」です。
若い時は都心、駅前や繁華街など流行っている美容室や雑誌に載っている有名店、テレビで活躍しているカリスマ美容師さんのところへ行っていたと思います。
しかし、年齢を重ねて健康上の問題で行動出来る範囲がだんだんと限られてくるのも現実です。
そこで、地元の美容室・美容師さんのお世話になる事は自然な事です。
「一生涯の顧客を持つ」「生涯担当の美容師さん」などお客様にとっても美容師さん側にとっても大事なお付き合いです。
葛飾区では、65歳以上で健康上の理由で外出出来ない方には、いくつか条件がありますが補助金が出て訪問理美容の負担をしてもらえます。
他の地域でも負担してもらえる場合があるみたいなので調べても良いかもしれませんね。

訪問理美容の仕事内容

出張カットは訪問理美容師さんの事は分かったけど、
理容師さんも美容師さんも同じでしょ?

訪問してするお仕事はカットをするという基本は同じだけど、
「理容師」「美容師」の違いがあるんだよ。
では、そこで出張カット・訪問美容ってどんなお仕事か紹介していきます。
僕は、「出張カット」「訪問美容師さん」と呼んでいますが、
先ほども記載した通り正確には「訪問理美容」です。
つまり、「訪問理容」が床屋さん、「訪問美容」がパーマ屋さん(美容師さん)と考えると分かりやすいいです。
資格については、当たり前ですが国家資格である「理容師資格」「美容師資格」が絶対に必要です。
理容師の資格が有れば、剃刀(カミソリ)でシェービングつまり顔を剃れます。
*美容師の資格では剃刀での顔そりは違反です。しかし、市販されている電動剃刀・電気シェーバーやT字の剃刀での顔そりは違反では無いのでそちらで対応するようになっています。それは、美容師さんはあくまでも美容目的のメイクの一環として顔そりをするという事です。
美容師の資格ではヘアセットやアップセットやメイクなどが認められています。
*理容師の資格ではアップセットやメイクは美容目的とされている為に行えません。
実際にお客様のお家に行ったりすると美容師の僕に「顔そり出来ますか?」と聞かれることはたびたびあります。
そこで、電気シェーバーやT字の剃刀を使って顔そりをする事は多いです。
本当に「カミソリ使えないの?床屋なのに?」と言ってくる方もいます。(床屋じゃないです。とは言い返しません。が悲しいです。)
もし、事故が起こったら・・
お客様の顔を血だらけに・・
お客様のお家を血だらけに・・
理容師免許が無いのにどうして剃刀で顔そりしたの・・?
といろいろ考えたら怖いので、
美容師免許で出来る範囲の顔そりをしています。
一応、というか当たり前ですがお仕事をする上で「保険」に入っていますので、大きな事故でない限りは守ってもらえると思っています。
もし、訪問理美容師になる予定の方が訪問理美容のお仕事はお客様のお家でお仕事をするので必ず「保険」には入りましょう。

資格について

出張カットに来る人ってもちろん資格はあるわよねぇ。

国家資格の美容師免許が有れば特別な資格が無くても、
出張カット・訪問美容師が出来ますよ。
でも、最初は介護的な勉強をして欲しいと思います。
訪問理美容自体には介護の資格が無くても出来ますが、お客様には「訪問理美容」「介護カット」などの資格を持っているという事は安心感に繋がるのもあって、積極的に取る人もいます。
最近では、訪問理美容を教える民間の団体や学校や機関なども増えています。
現場からの経験や意見を取り入れて作ったマニュアルで介護・補助などをしながらの美容施術のカットやパーマやヘアカラー・シャンプーの仕方などを学び資格として、ディプロマ(免状・免許・卒業証書)を作っている所も多いです。
特にシャンプーは大変なので、キチンとした経験者の先輩や先生から学びディプロマを貰うのは自信につながるのでとても良い事だと思います。
という様に現場主体の学びが入った教室・スクール・学校などがありますが、最近では、インターネットを活かした「オンラインサロン」や「YouTube」などの動画などパソコンやスマホで学べる環境も多くありますので、興味がある方は調べてみても良いでしょう。
オンラインサロンでの色々な資格の勉強は最近とても増えています。
資格の話に戻します。
当たり前ですが、自動車やバイクで出張カット・訪問美容に行く際には自動車や自動二輪車の免許を必ず必要です。
メイクの資格・ネイルの資格なども活かせます。
メイクをすると女性はいくつになっても、本当に寝たきりの女性でも嬉しそうに笑顔になっていくのを見るとメイクの資格の重要性が分かります。
ネイルについても同様にお客様にハンドマッサージして爪だけでなく手・腕までキレイになったと喜ばれるなんてお話もよく聞きます。
最近では外国のお客様もいるみたいなので、英語だけでなく中国語や色々な言葉など話せるのもお客様に安心感を伝えらます。
つまり、理容師・美容師の資格は絶対に必要ですが、今持っている資格でもお客様の役に立てられる可能性は十分にあるという事です。

出張カット・訪問美容の目的
お客様をキレイに!お洒落さんにして「夢」を叶えるのが出張カット・訪問美容のお仕事の目的・目標です。
一口に「出張カット・訪問美容」と言っても、お客様の性別や国籍、年齢・健康上の理由・家族の事や自分では解決出来ない問題色々な悩みがあると思います。
美容の仕事を通してすべての人の「夢」と「希望」を叶えることを目的・目標と考えると上手くいきやすいです。
確かに難しい問題が多いと思います。
僕も未だに悩むことが多いあり、例えば介護しやすい様にばっさりとカットする事は勿論あります。
でも、そこで「介護」し易い髪型で「素敵」に「似合う」「若々しい」と思うようなヘアスタイルになれば介護する側もお客様も年齢に関係なく嬉しい笑顔になります。
健康上の理由で美容室に行けなくなった方に、その「夢」や「希望」を叶えるのが出張カット・訪問美容のお仕事です。

体験談として・・
髪を切ったりすると気分転嫁になり元気になったというお話はよく聞きます。
これは僕の体験談ですが、出張カット・訪問美容でいつも通りお客様のカットをしていると・・
「女らしくなった♡」と笑顔で喜んでくれた事がありました。
僕は当然女性だと思ってカットしていたので不思議な気分でしたので、
家族の人に理由を聞いてみると・・
ご家族の方のお話では、「いつも短くなって男だか女だか分からない髪型にされてしまう。」から美容院に行きたいけど健康上の理由で外に出ることが出来ないので落ち込んでいたので、女性らしい髪型になって嬉しかったみたいでとても嬉しかったみたいでした。
そして、それを見たご家族も同じように素敵な笑顔になって、僕もとても嬉しくなりました。
それと、僕は美容師なので顔そりが出来ないのですが女性のお客様の中に「ひげ」が少し見えた時に、産毛用の電気カミソリで剃ってあげたら凄く喜んでくれて、ご家族も同じように喜んでくれたのがとても印象的でした。
他にもベッドに寝たきりのお客様に言われた事があって、
「いつもヘルパーさんに若いヘアスタイルですね。って褒められるんです。」って喜んでくれた事もありました。これも、とても嬉しかったです。
というように、美容室・美容院に来られないお客様に美容室・美容院を体験してもらうサービスですが、それよりも一歩進んで人間同士の付き合いになるのが出張カット・訪問美容かもしれませんね。

キレイになるのは年齢関係なく嬉しいわ。
優しさは話や仕草で分かるから安心できる人には感謝してますよ。

まとめ
出張カットは正確には「訪問理美容」と呼び、「理容師」さん「美容師」さんがお客様の元へ行ってお仕事をする事です。
「介護」の資格は無くても出来るが、「理容師」「美容師」のどちらか、あるいは両方の資格が無いと出来ない。
「理容師」さんはメイク・ヘアセットは出来ない。
「美容師」さんはカミソリでの顔そりはしてはいけない。
出張カット及び「訪問理美容」の勉強は現場主体の学びが入った教室・スクール・学校などがあります。ネットが出来る環境があれば、パソコンやスマホでも勉強出来ます。
出張カットの目的は、お客様とご家族の夢を叶えに行きます。
大切なことは人間関係です。
お客様やご家族とのコミュニケーションを大切にしましょう。

介護する方も大変です。
出張カット・訪問理美容も介護する方のご理解を頂きながら、お互い助け合うお仕事です。