出張カット・訪問美容で失敗・・あります。トラブル?クレーム?本音の話し。

こんにちは!
訪問美容師の佐藤圭哉です。
主に葛飾区を中心に出張カット・訪問理美容師のサービス活動をしています。
今回は、「すいません。」失敗のお話しです。
あくまでも経験談や友人知人からの体験談も含まれたお話しで作り話ではありません。
しかし、そんなことは無い!あり得ない!など不快に思った方がいたら先に謝ります。
「申し訳ございません。」
温かい目で読んで頂くと有り難いです。
宜しくお願い致します。

最初の失敗
失敗の経験はあります。
美容室で働いていた時の話とは違います。でも、美容室で働いていた時は店長までやりましたし、独立してお店を開いた経験もありました。
そこで、覚えたことは何事も素直に真面目にやれば上手くと思っていました。
訪問美容師を始めたばかりの頃、多くのお客様を同時にカットをしないといけない場面がありました。
お客様は高齢者で車椅子で認知症の方でした。
お客様の希望通りにカットをしました。仕上げのブローを終えて鏡を見せて確認すると
「もっと短く」と言われ、認知症の方でしたので失敗が怖いのであまり短くし過ぎないように気をつけてカットしたら、「もっと短く」とまた、言われ次のお客様が待っているのに・・と思って焦りを隠しながらカットをまたしました。そんな繰り返しを何度もしました。
結局、カットの仕上がりは満足して頂けましたが、時間が掛かりすぎて他のお客様を怒らせてしまったという失敗です。
その時は、訪問美容の研修で先生と何人か一緒に仕事をしていたので仕事が終了したら、
「お客様の言うことも大事だけど、お年寄りだから長時間同じ姿勢は大変だから常に時間は意識して下さい。」
と言われたのが覚えています。

バリカン
バリカンでの失敗談です。
美容師の修業時代に教えてくれた先生に「バリカンは簡単にカット出来るからと言って手抜きはするな。」と教わりハサミでカットする事を教え込まれました。
今でもその教えは正しいと思っています。
しかし、出張カット・訪問美容のお仕事ではバリカンを使わざるえない場面があります。
お客様が長時間同じ姿勢を保てないので時間短縮の為や寝たきりの方のカットをする時にどうしてもバリカンが必要になります。
バリカンのカットは刈り上げ過ぎないように、3ミリや6ミリなど長さを調整出来るアタッチメントと呼ばれるキャップを刃につけます。
そうすれば短くし過ぎず地肌を傷つけずに丁度良い長さにカットが出来るからです。
失敗というのは寝たきりの方のカットを首元や耳回りの長さを調整する為にバリカンを使っている時でした。
首元や耳回りも綺麗に出来てさっぱりとなって終わったと思っていましたが・・
バリカンには先程のアタッチメントと呼ばれるキャップを付けていましたので、襟元の髪の毛をどうしても切れませんでした。
寝たきりの方でしたので、ベットに寝ているので身体を少し上げてもらうのを協力して頂きましたが、どうしてもバリカンを持った手が首元にいかないので襟足の髪の毛が、昔のヤンキーみたいにヒョロッと長くなっています。
ハサミで切ろうにも手が入らない、凄く苦しそうなので諦めてご家族にも謝ってこれ以上はカットをすると苦しそうなので出来ないとお伝えしました。
その時は、バリカンのキャップを外してやればもっと上手く出来たかも?でも、首元の地肌を傷つけずに出来るか?など考えて悩んでいました。
それから、色々と経験した今はバリカンのキャップを付けたままでも首元を綺麗に切れる方法を見つけましたし、キャップを外しても地肌を傷つけずに切る方法も身につけました。
出張カット・訪問美容のお仕事ではバリカンは必需品ですので色々と経験しました。

理容師さん
これは、失敗ではなく理容師さんに言われた事で印象に残っていることがあります。
介護施設や老人ホームに行く時には訪問理美容として、美容師と理容師が一緒に行ってお仕事をする事が多いです。
僕は美容師をずっとしていますので理容師さんのお仕事を見る機会が少ないので、必ず見るようにしています。
そんな時、介護施設での仕事を終えて今回の反省会の時に
「美容師なのにいきなりバリカンを使わないって珍しいね。」と言われました。
僕は??となっていました。
理容師さんの言葉をまとめると
「最近の美容師の訪問美容師は時間短縮をメインで考えていきなりバリカンを使ってカットをしていく。
我々床屋よりも酷い。
もちろん、病気の具合などにより負担があってカットしている時間座っていられないとあるけど、いきなりバリカンを使って時間調整をしていく。
それで、みんな同じヘアスタイルで同じ頭に仕上げていく。
床屋だってスタイルを変えようと必死なのに。
美容師なのにバリカンしか使わない訪問美容師もいるので、床屋と思われるんじゃないかと心配になる。
もっとちゃんとハサミでカットしろと言いたくなるよね。
訪問理美容のレベルを下げないで欲しい。」
「だから、あんたがちゃんとハサミでカットしていたので美容師なのに珍しいと思ったんだよ。」
と言われて、美容師側として悲しくなっちゃいました。
理容師さんの技術は凄いモノがあると思います。いつも、刈り上げや仕上げのカットの調整など見ながら丁寧で早いなぁと思っていました。しかし、それはそれとして、美容師の方が絶対に凄い・負けないと思って刺激を受けながら仕事を見ていました。
そんなように理容師さんも僕等の仕事を見ていたので、そんな感想が出たのでしょう。
高齢者・認知症・病気・暴れる・動く・・・など時間短縮の要因は沢山あります。
そんな中、理容師さんは自分の仕事にプライドを持ってやっていて、僕も教わった先生に恥じぬようにと思って仕事をしていました。
美容師の代表として訪問美容のクオリティを上げられるように頑張ります。

クレーム?
失敗というか?クレームというか?悩める問題があります。
出張カット・訪問美容のお仕事ですので、介護的な要素が強いお仕事です。
お客様の中には病気で身体が自分の意思で動かせない方もいます。
ほぼ身体が動かせなく、辛うじて顔の表情を少し変えられたりする位の方もいます。
そんな何人かのお客様の中に少しだけ口元が動いて何を言いたいのかを少しだけ分かる方がいました。
病気のせいで身体が動かないので、介護士さんがベッドから車椅子に移動してくれて僕がカットする形でした。
お客様は髪の毛が多く、髪の毛も長く1年位全くカットしていない様子でした。
流石に伸びすぎていましたし、その時は夏真っ盛りで暑いので首元の汗疹など衛生的な問題も考慮してご家族やその介護士さんとも相談して刈り上げはしないけどもギリギリの短さにする予定でした。
お客様本人とは、上手く会話出来ないので一方的に
「今回は夏の暑さで汗をかいたりするので衛生的な問題もありますので耳回りは耳を出してスッキリとさせて、襟足は刈り上げない程度に短くして、でも、女性なのでトップや前髪などは長めにカットしていきますね。」
と言うと、本人はなんだかイヤな表情が見えました。
「短めがイヤなんですか?」と聞くと「長め。」とかすかに聞こえて来ました。
「分かりました。じゃあ、ギリギリの長めでいくからそれで許して下さい。」と説明すると何とか納得したようでした。ご家族もそばにいてホッとしたようでした。
丁度、鏡の前でカットをしていました。髪の毛が多く長かったのでしたが、耳回りの長さをバッサリと切っていき耳を出す長さにカットをするとお客様が機嫌の悪い感じが伝わってきます。
「短い。」とかすかに言っています。「やだ。」とも言っています。
「すいません。でも、夏で暑いので汗疹や湿疹なんか出来て大変だと困るのでギリギリの長めで切っているから許して下さいね。」
と言っても、お客様の機嫌の悪いままの気がします。ご家族は「大丈夫だよ。似合っているよ。」とフォローしてくれます。
介護士さんも、「肌が荒れてブツブツが出来たり大変な事になると困るから、この方が良いよ。大丈夫ですよ。」
皆さんが助けてくれてもお客様は機嫌の直らない感じでした。
しかし、仕事ですので、長めの刈り上げないギリギリの長さをカットしていきました。
仕上がりを見ても「短い。」と言われてしまいました。
でも、介護士さんが「良かったね、これで首の汗が拭けるから汗疹にならないよ。」というとその言葉でそうだなという納得した様子が見えました。
本当に、ご家族や介護士さんに助けてもらいました。
お客様からクレームがその後くるかと思っていましたが、その後もカットをさせて頂いていますので納得してもらったか、介護士さんのフォローで助けてもらっているかだと思っています。
ご家族の方や介護士さんありがとうございます。

最後に
失敗やトラブルやクレームを恐れずに頑張れ!と思いますがやはり失敗は怖いです。
訪問美容のお仕事もやはり、お客様に喜んで頂くのがお仕事ですのでお客様が納得して頂けないのは、やはり苦しいです。
僕の場合は、それほど大きなトラブルに今のところ巻き込まれた事がないので有り難い話です。
しかし、訪問美容の仕事の性質上、健康な方が相手ではありませんので何時何があるのか分からないです。
お客様とご家族やケアマネージャー・ヘルパーさんなど必ず、自分一人で解決しないようにして自分がミスをしたら必ず謝るようにしていこうと思っています。
カットの失敗でも難しい問題が必ずあるのでお客様意外にもご家族に必ず確認を取りながら進めようと思っています。
今回は本当に経験談の裏話ばかりですいませんでした。
失敗を畏れてもコミュニケーションは諦めないで、訪問美容を続けていきます!
最後までお読み頂きありがとうございました。
出張カット・訪問美容専門『あの美容師さん』
代表 佐藤圭哉